2018年5月---------------「海福雑貨」存続の危機!?

良い物語を創る上で大事なのは、「起承転結」です。

海福雑貨の物語も、後から振り返って面白いものである為にはもちろん「転」があっても良い。

けど、ちょっと早すぎました。

ようやく「承」が始まったばかりの時期なのに、ある日突然「転」はやってきました。

「オーナーさんが今度こそ本気で売りを検討してるんですよね〜」

と、不動産屋の担当さんから一言。

海福雑貨が入っている「川島荘」を所有するオーナーさんがご高齢の為、そろそろ物件を手放そうと決意したのです。

全10部屋あるうちの4部屋を海福雑貨が店舗として借りていて、残り6部屋も住居で満室。

とは言え、まもなく築50年を迎えようという 「川島荘」が売りに出され、買い手がいた場合・・・それが意味するのは「退去」→「取り壊し」→「更地になる」→「建売り」です。

なんということでしょう、これはやばい。

海外仕入れから戻ったばかりで沢山の素敵アンティークに囲まれ高揚していた店主の顔(赤い)は、アルカリ性を示すリトマス試験紙の如く、瞬時に青ざめました。

残念なことに、「じゃあ僕が買います!」と言えるほどの資金もなく、「私が買ってあげよう」と言ってくれるパトロンも存在せず。

5月末の、ある晴れた昼下がり。

これから売りに出される可哀想な「川島荘」を、ただ眺めているしかありませんでした。

「6月くらいには、まずは水面下で売りに出されると思います」

という担当さんの説明に、力なく
「じゃあ何か動きがあったら教えてください」
としか言えない店主。

どうしよう。どうしよう。

せっかくここまで進んできたのに。

この場所、無くなるのかな?

なるべく、そんな不安を抱えていることは周りの人に伝わらないようにしようと思っていましたが、
「海福雑貨の店主が最近暗い。元気がない。」
という噂が何故だか広がり、会う人会う人に気遣われる始末。

後から振り返ると、よほど精神的に追い込まれていたのだと思います。

不動産に詳しい知人に色々聞いてみたり、賃借人の権利について調べてみたり、万が一追い出された場合の移転先(なかった)を探してみたり。

何とか平常心を保ってお店を営業しながら、あれやこれやと思いを巡らす日々。

そんな日々が続き、6月、7月、8月、と・・・不気味に、静かに時は過ぎていきました。

 

さあ、どうなる!?


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