ガラスペン
海福雑貨では、古いガラスペンを多数取扱ってきました。
イタリア製の新品で綺麗なガラスペンも色々とありますが、海福雑貨のガラスペンの中で大半を占めていたのが、「葵硝子ペン」と「ペンギンガラスペン」でした。
2018年頃からは入手困難となり、現在では年に数回、少数が入荷するような状態となっております。
これらのガラスペンは昭和30年代まで日本国内で生産されていたもので、デッドストック品です。
「葵硝子ペン」は「葵文具製作所」が、「ペンギンガラスペン」は「ペンギン文具製作所」がそれぞれメーカーとなっていますが、これは同一の会社「葵文具製作所」が作っていたものだそうです。
ちなみに「葵」「アオイ」は、この会社のあった愛知県岡崎市に縁のある徳川家の葵の紋に由来しています。
事務用として作られている為、質素でレトロなデザインです。ガラスペンとしての性能は現代のものと遜色ありません。
また、簿記・細字用のペンであるため、書いたときの線の細さもかなり細めです。小さな文字や繊細な絵もOK。
軸は竹製で、ペン先部分のみ硝子となっています。現行の硝子ペンでは全体が硝子のものが主流なので、竹軸というのは古いものならではで、面白いところです。
ペン先に刻まれた螺旋状の溝に毛細管現象を利用してインクを巻き上げ、筆記。一度吸い上げると割と長く持ちますので、使用感は普通のボールペンなどと似ています。
インクの色を選べますし、使い終わったら軽く拭うだけで大丈夫。
このガラスペン、1900年代の初頭に日本の風鈴職人さんが考案したものなのだとか。戦前から昭和30〜40年代初頭にかけては事務用品として多用され、その後、より安価で大量生産に向いたボールペンに取って変わられたという歴史があります。
青、黄色、茶色、緑、透明…ガラスペンは、ペン先も色とりどり。
一本使ってみて、気に入ったら全色揃えてみると、机が華やかになるかもしれませんね。ガラスペンを使い始めると、インクの色を集めるのもまた、楽しくなります。
当店で取り扱っているガラスペンの一部は、海福雑貨通販部でも販売していますので、遠方の方は是非お求めください。
ガラスペンの使い方は?
実際に当店で取り扱っている古いガラスペンをお買い上げ頂いた方の為に、使い方と注意点を簡単に書いておきますね。新品のガラスペンとも、ほぼ共通ですのでご参考にどうぞ。
インクは何でも良いの?
万年筆用のインクや墨汁をご利用ください。当店でも、エルバン社(フランス)のインクやダイアミン社(英国)のインクを取り扱っており、こちらもガラスペン用としてご利用いただけます。
さあ書こう!
ガラスペンのペン先をインクにつけ、ペン先が全体の3分の1ほどまでインクを吸い上げたら、ゆっくりと引き上げます。
ペンを多少寝かせ気味に、ゆっくりと書きます。細いペン先となっておりますので、筆圧を強くかけすぎないようにご注意ください。ペン先が吸い上げているインクを均等に使えるよう、少しずつ回しながら書いていくのがおすすめです。
※余分なインクを取ろうとしてインク瓶のフチにペン先を当てたり、勢いよくインクを付けようとしてインク瓶の底にペン先を当てたりすると、ペン先の破損の原因となる可能性がありますのでご注意ください。
書き終わった!
ガラスペンの使用後は水でペン先に溜まっているインクを洗い流し、柔らかい布またはティッシュペーパー等で優しく拭き取ってください。
ペン先にインクが付いたままの状態で長時間放置するとインクが固まってペン先の溝を塞ぎ、インクを吸い上げなくなる事があります。
※もしそうなってしまった場合は、お湯にペン先を付けて、固まったインクを溶かして除去してください。